聖カタリナ女子高等学校

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校長室の窓から No.127

                        感服の至り

 差出人住所のない「挨拶状」を受け取った。異様な文面は直ぐには状況の理解を許さず、何度か読み返すうちに身を正して驚いた。その内容はこうである。
「お世話になりました。私 、○○○は自覚症状もなく気づいた時には癌に侵され死に至りました。」で始まってご自分の生涯を100字足らずで振り返り、「皆様の温かいお気持の中で幸せな人生を送る事ができ感謝の気持ちでいっぱいです。葬儀は皆様にご迷惑をかけたくない一念で家族と事務所の者で執り行わせました。我儘な非礼をどうかお許し下さい。」と報告調の文章が続く。その後に、「私には過ぎた職員に恵まれた」と謝して「家族共々、何卒宜しくお願い申しあげます。」と締め括り、一行あけて「本当に有難う御座いました。」と結んでいた。
 故人は私より5歳年長、これからも多くの示唆を受けたい人物のおひとりであった。真似しようのない見事なご挨拶に、ただただ感服するのみ。心からのご冥福をお祈りする。
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by stcatalina | 2009-09-03 18:02 | 校長室の窓から