聖カタリナ女子高等学校

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校長室の窓から No.126

                      「18歳成人」について

 始業式。館内には学年別に元気な顔が列を作った。演壇から「政権交代」の話をしながら注目したのは3年生である。7月末、法相の諮問機関「民法成年年齢部会」の出した審議報告をご記憶だろうか。「国政選挙に投票できる選挙年齢が18歳に下がることを条件に、民法が20歳と定めている成人年齢を18歳に引き下げることが適当」というもの。「親の同意なしにクレジットやローンの契約ができるため消費活動が活発化する」との甘い甘い希望的観測も。
 既に欧米では「18歳成人」が主流であり、日本でできないことはないだろう。しかし、現時点では賛成しかねる。理由はただひとつ、高校3年生に「成人」の自覚を持たせる自信が私には全く無いこと。それは若者の責任ではなく、環境の整備不足にある。現行の「学習指導要領」は無論のこと、先ごろ配布された25年度実施のそれにもその観点に基づく配慮は皆無。民法改正は、それ用に編成する「教育課程」への取り組みと連動させるべきである。
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by stcatalina | 2009-08-31 10:52 | 校長室の窓から