オアシスへの期待
それは「中庭にベンチを」という生徒の声から始まった。何回目かの委員会で、そもそも中庭の役割とは?という疑問が出されたとき、委員のひとりが故シスター上妻(初代理事長)の文章を思い出す。1963年、「方形の校舎」と題した一文で次のように語っておられる。
「四方の教室の窓を開けてください。総ては中央の中庭に通じています。中心の聖カタリナ像は、円形の磐石の基礎の上に立っていらっしゃいます。これは学園全体の円満なる協力一致の精神を象徴しています。その周囲をかこむ清純な池とその発露である噴水、これは学園を囲む皆さん自身の姿ではないでしょうか。そして緑したたる芝生は、広大なる神の愛を示します。ここに精神の疲れを、悩みを、また、体の疲労をいやすオアシスを見出しましょう。」
結論として、少しずつ増えていた大小の木々を殆ど整理し、45年前に立ち返って一面に芝生を張ることにした。生徒たちが、神の愛の中で語らう日々がそのうちに来るはずである。